教科書に載っていない良い職場とは その63【利】

「論語」では、【利】を求める事を悪とするという解釈がなされる事が多いと思います。

渋沢栄一はその点を指摘し、そろばんと論語を同じ概念という事を提唱していました。

性善説と性悪説の中で、【利】は以下のように扱われてきました。

【利】を求める欲望を適度に調整すれば、人間を向上させる原動力になり、他人を損なって己を利する行為は、最も許されない行為とされて来ました。

性善説で言えば、【利】は他人に施すものとされて、性悪説で言えば、【利】は己に施すものとされています。

律するべきは自分のこざかしさとも言えるのかもしれません。

他人の事を考慮しない自分中心の気持ちはいわゆるわがままです。

この考えは、他人に害を与える事だけではなく、自分の本来の心をもむしばんでしまいます。

良い職場には【利】を求める欲望を適度に調整する事が必要です。