組織風土の特徴を掴む その72

「メンバーがこちらの話を聞いているのかわからなくなる」

そういったお嘆きを耳にします。

当然、リーダーとしてはとても気になる所です。

ある本では、「それはリーダーの伝え方が悪い」と一刀両断されてしまいます。

私はこの考え方は間違っていると思います。

組織は生き物ですから、風土によっては様々な解釈が出来ます。

一概に伝える側だけが悪いとは言い切れないと思います。

メンバーにはフォローシップが要求されます。

これは、いかにメンバーとして振る舞うかを意識する上で、とても重要です。

詳しく解説します。

リーダーとしての心構えを規定している会社をいくつか見たことがありますが、意外にもメンバーに対する心構えを規定している会社は少ないのが現状です。

それはリーダーは目指すべき場所だから、明確に規定しなければならないという会社側の姿勢がそうさせているのですが、実は同じようにメンバーの心構えも必要になってくるのです。

組織に属する人々は様々な関わりあいを持っています。

お互いをフォローし合う姿勢はとても重要です。

それをどのようにフォローし合うのかをしっかりと示すのです。

一方リーダーですが、「メンバーがこちらの話を聞いていない」という現象をどこで判断されているでしょうか?

人の情報収集機能は3つです。

「視覚」「聴覚」「触運動感覚」

視覚優位の方は映像で情報を収集します。

聴覚優位の方はじっくりと音を聞きます(この時、一点を見つめたりしています)

触運動感覚優位の方は、聞きながら手が動いていたり、話しているリーダーからしてみると落着きが無い印象を受けます。

実は、リーダーがお話ししている最中では「聞いている・聞いていない」は判断がつきません。

それぞれ情報を収集する機能が違うからです。

リーダーのお話しの内容が作業的なものであれば、その進行状況を確認し、「聞いている・聞いていない」が始めて確認出来るのだと思います。

リーダーにとって大切なことは、指示が伝わればいいのであって、話を聞いているかいないかではありません。

こちらに注目してくれている状態はとても話がし易い状態です。

ですから、ここはメンバーのフォロワーシップとして意識してもらえばいいと思います。

さらに、重要な連絡がある場合は事前に情報提供をしておくことで伝わり度合いが変化します。

特に重要な内容であればあるほど、影響力のある方への事前打ち合わせはルーティンにしたほうが良さそうです。