組織風土の特徴を掴む その67

ミーティングを時間制限で行う事も良いと思います。

折角ミーティングを行うので、この時間で【意見抽出】【意見集約】【結論・判断】までいくのはかなり至難の業であるといわざるを得ません。

ミーティングを行う風土が根付いていない組織であるなら、尚の事です。

しかし、従業員の立場に立つと時間無制限というのも参加に障害が出てしまうのも否めません。

各自の事情というのも考慮するべきです。

ですから、あせって1回のミーティングで【決める】まで行かなくても良いと思います。

前回の告知文を流用するとこのようにアナウンスする事で、参加者の参画意識も自然な形で促す事が出来ると思います。

「10月10日に会社の将来について皆さんで話し合って行きたいと思います。わが社の理念は「自利利他」です。これはお客様や地域に対して実現していきたい想いです。皆さんには是非、この事を念頭にわが社の未来の姿を思い描いていただきたいと思います。これは皆さんの将来を語る事と同じだと考えます。まずは、皆さん自身が思い描く将来図について理念に基づいて考えて来て下さい。改善点があれば、課題は何で、それをどのように改善していくべきかを示して下さい。そして、自分はどのように関わっていくのか、仲間とどのように関わっていくのかも考えて来て下さい。皆さんの意見を持ち寄り、数字目標だけでは無く、具体的に将来を描きたいと思います。その為に10月10日は【意見だし】を目的とします。○時から○時に時間設定し、まだ意見が出るようであれば、10月17日にもミーティングを行います。皆さんの意見が会社の将来を左右します。一緒に頑張りましょう」

ミーティング参加者も事前に今回のミーティングの目的が【意見だし】なのか【決める】なのかを知る事によって参加意識が違うものです。

とかく、それらを混同しがちですが、分けて考える事で、参加者はスムーズに意識を移行出来るので、比較的リラックスして参加する事が可能です。

経営者や管理者が行うべきは【場作り】です。

実はミーティングは開催までで90%程の準備が終わっているものなんです。

参加者もミーティングまでにインプットして来ます。

アウトプットはインプットがあれば、さらに良いアイデアへと高まっていくはずです。

【意見だし】の時は、業界や異業種の動向、自分が課題だと思う事の改善方法の調査、他社事例などをインプットする準備が出来るのです。

【結論・判断】の時は、抽出された意見が描く将来についての考察、同じ様な事例の研究やその成果の調査、等を準備する事が出来るのです。

ミーティングを始める前から、これらのインプットを全て行う事はかなり困難です。

しかも、話の方向性もどちらに向かうかわかりませんから、【結論・判断】のもとになりそうな考察や調査を用意する事はほぼ不可能と言わざる得ません。