経済特区戦略

特区を設けて減税や規制緩和をしたり、空港、道路、などインフラの運営を民間に任せたりして、低迷から脱する道筋をつける動きがあります。

技術革新などに前向きな企業や多くの人が集まる都市部の経済を後押しするほか、海外との人とモノの行き来を活発にすることにも重点を置いているようです。

企業の支援として、2年ほど前に今後3年間を「集中投資促進機関」と位置付け、生産設備の買い替えを促す減税を導入したり、起業する人がインターネットを通じて資金を集めやすい仕組みを作る他、経営者個人が保証人にならなくてもお金を借りやすくする制度を整えると言っていました。

少しづつ形にはなって来ているものもありますね。

労働分野では、「雇用維持」から「転職支援」に軸足を移す姿勢を鮮明にしました。

これは大きなポイントだと思います。

大手企業のノウハウを中小、零細にも広げていく為にも、成長分野の産業に人材流動を起こしやすくする為にも、こういった軸足の転換は大きなポイントとなるはずです。

しかし反面、首切りをしやすくなるのではないかと、労組は慎重な姿勢を崩していないようです。

また、「残業代ゼロ」施策も検討中ですから、労組を刺激しまくっていますね。

成長には、減税や規制緩和が必要と考えられており、政府の動向は注目されてしかるべきですが、私の考えは少し見方が違います。

名目賃金を上げるためには、現在の産業構造上無くてはならない産業に成長したサービス業の賃金があがらないと大きいインパクトが無いと思います。

円安が進んだと言っても、生産拠点を海外に移した企業が国内に戻ってくるわけではありません。

製造業頼みの国策に成長といいながら、減退感が漂っている気がします。

アメリカの賃金の底上げに大きく寄与しているのは、サービス業の賃金が上がった事が挙げられます。

これらを無視して、施策を検討していても、効果は望み薄だと言わざるを得ません。

特区構想の中にも、サービス業に対して大きなメリットのある施策が含まれる事を望みます。