経営戦略⑩

マーケティングを理解するには、フレームワークを理解する事があげられます。
 
SWOT分析、4P、4C、PPM法、ランチェスター戦略・・・様々あります。そしてどれが良くてどれが悪いといったものは無く、業種業態、地域、タイミング、人選、ユーザー層、によっても切り口、目標値が変わってくるので、色々なものを取り入れながら自社の現状を視覚化し、将来ビジョンを描き変えていくものに利用するのです。
 
さて、フレームワーク作りですが行ってみると、本当に自社の事がわかります。

そしてどこに資源を投入していくかを決定するのに多いに役立てるのです。
(こういった活動全てがマーケティングです。「売れる仕組み作り」)
 
しかし、フレームワークを作るのに一生懸命になってしまい、具体性に欠けてしまったり、責任の所在があいまいになってしまったり、挙句にフレームワークを作っただけで満足してしまう事もあるようです。

以前にもこのブログで紹介したかもしれませんが、HPで宣伝している「そば屋」さんが東京にあるにも関わらず、沖縄の人にみてもらって喜んでいるといった現象に近いと思います。

つまり、何の為にHPを作っているのか?を作りこみに夢中になりすぎて、忘れてしまうのです。
 
「6割方構想が出来たら、やってみましょう」
 
なぜか?
 
先行きは誰も読めないからです。しかし読めないからと言って場当たり的に活動していたのでは、振り返り、改善が出来ません。
 
「6割方構想でスタート」としたのは、10割は読めないからと言っているようなものです。途中で方向転換(出来なかった場合の対応策)もまったくもって有りなのです。

特に経済はめまぐるしく変わります。

視野を広げてみるとグローバルスタンダードも様々見直されています。

日本国内でも様々変わります。
 
「自分の会社は今と同じ事をして3年後も生き残れる」と思っていらっしゃる社長さんは少ないのではないでしょうか?
 
ですが、何をしていいのかわからない。

大きく変える事で折角作り上げた組織・販路(お客さん)が壊れてしまのではないか?といった不安が先に出てくるものです。
 
そういった時には、自社の理念を再構築してみたらいかがでしょうか?理念をフレームワークで見直すのです。

全面リニューアルが必要であればそうすればいいでしょうし、あらためて我々の会社の存在意義は?なんてテーマで社員にブレインストーミングをしてもいいのかもしれません。

帰属意識(アイデンティティー)も高まると思います。
 
結果、会社(社員)に本当の生き抜く力がつきます。

理念にもとづきマーケティング戦略をフレームに落とし込む事で会社は確実にステップアップします。

ブレ無くなるのです。
 
もう一度話を戻しますが、マーケティングのフレームワークは作りこみだけで終わるのではなく、成果が出てナンボです。

・・・話はかわります。

経営戦略構築の為に、キャッシュフロー経営分析を行って見て下さい。
 
すでに各財務諸表をもとに企業の安全性を分析計算する項目として、自己資本比率、流動比率、固定長期適合率についてはお話いたしました。
 
その他には、

①投下した資本に対してどれだけの利益を実現したかを見る「収益性

(損益分岐点比率、売上高経常利益率、総資本経常利益率、)

②資本の循環を見る「循環性

(買入債務回転期間及び売上債権回転期間、投資回収年月、総資本回転率)

③企業が経営環境の変化に適応して活動しているか否かを判断する「成長性

(過去3カ年売上高増加率、過去3カ年限界利益増加率、過去3カ年自己資本増加率)

④企業が生み出した生産性(付加価値)を見る「創造性

(限界利益労働生産性、一人あたり人件費、限界利益労働分配率)などです。
 
難しそうな言葉が並んでいて恐縮です。・・・が企業分析の上では欠かせない項目となります。
 
これらとキャッシュフロー経営分析を行うことで様々な側面から企業運営の実態を浮き彫りにするのです。
 
数字から読み解かれる事では、利益が出る体質になっているか?

直接的な営業目的ではない投資が行われていないか?

こちらの数値はなぜこのような数値となっているのか?

などの疑問が出てきます。

分析シート上にこれらを記載し客観的資料を作成していくのです。
 
特にキャッシュフロー経営分析においては、過去からの推移を見る事がとても大事な事となり、キャッシュの動きからその会社の営業・投資・財務の分析を行う事が出来ます。

営業の結果、キャッシュがどこに投下されているのか?(どのくらい残っているのか?)、成長する為の投資はしているのか?(将来の投資計画はあるのか?)借入金の増減の状況はどうか?が人目でわかるようになります。
 
キャッシュフロー分析とともに大事になってくるのが、資金繰り表です。

計画に対して資金手立てをどのように企業が考えているのか?を図る指標としても大事なものです。
 
ここまでお話をしてきて気付ける事ですが、経営者に必要なスキルはこういった諸情報から会社をどのような方向に導いていくかということです。本来経営者が取り組むべき事になかなか着手出来ないのが中小企業の弱みとなります。ですから【経産省 認定支援機関】などに外注するのです。中小企業の社長さんはうまく外注を使う事をお薦めいたします。