経営戦略④

お客様について2つの切り口から考えて行きたいと思います。

まずは顧客生涯価値(ライフタイムバリュー)

この言葉をご存知でしょうか?
 
ライフタイムバリューはマーケティング用語です。お客様が自社にどのぐらいの価値を提供してくれるのかを意味しています。
 
つまり、浮気するまで、またはその商品・サービスを必要としなくなるまで、どのくらい私のところで商品(サービス)を買ってくれるのかって事です。新規顧客をいかに開拓するか?って事に主眼がおかれている会社ってすごく多いと思います。そういった意味でも既存顧客の重要性って意外に語られていないものです。
 
新規顧客を得る場合は3倍~5倍(場合によっては10倍)のコストがかかると言われているのでとっても大変です。(既存を1とした場合、パフォーマンス数値が数倍になると試算されています。)
 
既存顧客の生涯価値を高める事に注力する事は、「弱者」の戦略としてはとても重要なんです。中小企業はここに集中するだけでも良いと思います

マーケティングの世界的権威のコトラーによれば、平均すると企業は毎年10%~15%のお客様を失っているとの事です。

ですから減った分を補う為に新規開拓は必要な行動なんですね。
ですが、この割合を減らす事が企業にとっては非常に重要です。

新規開拓コストを既存ユーザーに振り分け、浮気させないようにしたいですね。

(もうその商品・サービスを必要としなくなったお客様はしょうがありません。すばやく今までの感謝を申し上げ、他にお知り合いで当社の商品を必要としそうな会社・個人をご紹介いただくような行動をとりましょう)
 
また集中するにしても、自社の既存客の方々はどんな階層(購買判断基準)の方なのかは出来るだけ分析したいですよね。

それによって行うマーケティング内容は変わってきますからね。
 
次にお客様の購買心理をひも解いてみましょう。

お客様には階層(購買判断基準)があると言われています。

①イノベーター(革新的購入者)「目新しさに飛びつく人」

②オピニオンリーダー(初期少数購入者)「従来の商品にはないベネフィットに着目し、自分で判断する人」

③アーリーマジョリティー(前期多数購入者)「慎重派ですが、まわりに後れを取りたくない人」

④レイトマジョリティー(後期多数購入者)「別名フォロワーズといい、周りが使い始めてから購入する人」

⑤ラガート(購入遅延者)「世の中の動きに関心が無く、商品自体の普及には目もくれない人」となります。
 
あなたはどこに属しますか?
 
私はアーリーマジョリティーかオピニオンリーダー(商品にもよりますね)だと思います。

アーリーマジョリティーの私は新製品が出てからしばらくして(1か月か2カ月)から買うと思います。

オピニオンリーダー的だと感じるのは、飲食店です。

オープンしたての店は自分で確かめたいと思っています。

誰よりも最初に味わうことの優越感にひたりたいといった側面もありますかね。

さて、どのようにお客様の心理をとらえるか?これは非常に難しい問いですが、日々の情報収集の中でそれらを垣間見る事は可能です。

(イノベーターとラガートはわかりやすいので触れません)

例えばオピニオンリーダーは商品価値を全面に押し出す事(この商品を得た事でどんな良い未来が待っているか、どんな不利益が解消されるか)で購入決定します。

目新しいものが大好きですので、会員様限定であるとか、会員様先行案内などのご案内に飛びつきます。

こちら側でそういった工夫をする事でこのタイプか否か判定する事は可能です。

アーリーマジョリティーは、購入したお客様の声を知ったり聞いたり、店長おすすめなどの表示に弱いタイプです。

誰かの推薦に購入を後押しされるタイプです。

レイトマジョリティーは商品・サービスが市場内に流通し出してから購入を決定するタイプです。

ですからマーケットフォロワーズと呼ばれています。かなりの慎重派と言えます。

車の購入で言えば、新型の車が出ると発表があるとそれに飛びつくのが、イノベーター。

カタログを吟味し満足して購入するのがオピニオンリーダー。

販売が開始された頃に試乗した結果、購入し周りにおくれをとりたく無いのが、アーリーマジョリティー。

街中でその車が良く見かけられる様になってから購入するのがレイトマジョリティー。

ラガートはそういった市場の動きには全く動ぜず、自分のタイミングでようやっと購入を決定します。


CMにはこういった仕掛けが色々と仕組まれているんですね。まずはイノベーターに働きかけ次にオピニオンリーダーとアーリーマジョリティーに訴える。市場に商品が流通し始めるとレイトマジョリティーにも訴える事が出来ます。

マーケティングとは売れる仕組みを作る事です。

お客様を2つの視点から説明してきましたが、あまりこういった点は語られていないのが実際の現場です。

皆さんの会社では是非戦略的にとりいれてみて下さい。

競合他社の先を行く事が可能となります。