エーザイの内藤社長はこのように言っています。
普遍的な2つのフレームがあります。
それは「顧客の喜怒哀楽とは、暗黙知である」だからこそ、暗黙知を知る努力がいります。
もうひとつは「企業は顧客満足の維持のために存在しており、それを満たせば結果として売上や利益がもたらされる」と言う事です。
更に、企業が社会的な公器であるという由縁であり、社会の中で使命を果たしていく原点です。
先進国であっても、新興国や発展途上国に行ったとしても、そこでどのように現実に適応出来るのか?常にこの2点にあります。
つまり、エーザイの理念経営の原点には常にこの2つがあり、だからこそ株主に説明が出来るのだと思います。
発展途上国でのプロジェクトは社員のヒューマンヘルスケア活動の中から出てきたものです。
ナレッジマネジメントの成果は社員が判断基準を持つと言う事を日々の業務の中から学び、身につけて行くことが出来るのです。
一人ひとりの社員が予期せぬ事態や何らかの決断を求められる局面に対峙した時に、自らの価値観や判断基準に沿って自主的に意思決定をし行動を起こせるようになってくる。
いちいち上司にお伺いをたてる事が無くなり、対応スピードがあがる。
これは最終的にお客様の為になるのです。
エーザイでは野本氏のSECIモデルを実践してきました。
活動のプロセスを明確にする事で、同じ方向性を持った事例が多くなり、それらを社内に浸透する事でさらに活動のレベルが上がるという好循環を生み出して来ました。
現場で感じ取った暗黙知を形式知へと変換して、どのような製品やサービス開発するのか?
その際にどの部署を巻き込むのか?
いずれも自分で判断しなければならない為、社員自身で判断基準を持たなければならなくなりました。
ヒューマンヘルスケア活動を継続して来た事で、社員レベルで企業理念に沿った意思決定や行動を自ら出来るようになってきた事が、ナレッジマネジメントの最大の成果だったようです。
このように社長が一人で頑張るのではなく、従業員と一緒になり会社を成長させていくやり方は決して大企業だけのものではありません。中小・中堅企業でも実践出来る事であり、中小・中堅企業だからこそ活動成果にレバレッジが効きます。なぜなら、他社はそういった取り組みが出来ていないからです。製品力やサービス力で他社の先を行く為には、こういったマネジメントも有効であるとご理解いただけたと思います。
今後の参考になれば幸いです。
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